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ほろよい×2/日。

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◆2012/11/18 小説集『突き抜け5』できました!◆
『眠るのにいい時間』という短編小説を書きました!こちらで買えます


老子の帽子。

こんな夢を見ました。

—–

昼と夜の間くらいの時刻に、数人で寿司を食べに行くところでした。どうやら有名な寿司屋なのですが場所が分かりにくく、タクシーに乗って行くことにしました。

タクシーの運転手さんは店の場所が分からないらしく、場所を知っているメンバーが誘導するのですが、なかなか目的地にたどり着きません。高架の線路沿いの坂道を下った辺りだろうということで一旦そこで降り、みんなで寿司屋を探しました。

するとマンションの間の小さなビルの1階に、ひっそりとその店はありました。ガラス戸をあけるとすぐ座敷風カウンターがあるだけの、正座で臨む立ち食いそばのような佇まいの店でした。

カウンターに座っておすすめを訊くと、板前さんは豚肉の寿司だと言います。どんなものかと思って注文すると、シャリの上に生の豚肉を乗せて軽くバーナーであぶっただけの寿司が2貫、下駄に載って出てきました。板前さんは4種類のタレが選べますと説明してくれるのですが、タレの名前がマツイだとかタチカワだとか味が全く想像ができないので適当にマツイを頼むと、薄いカラシ色のサムシングを薄く塗ってくれました。

豚の生肉はさすがにやばいよなー、と思っていると、板前さんは満面の笑みで「!!!」と文字にできないような意味不明の言葉を発して安全を保証してくれましたが、やっぱりやばいと思って手をつけませんでした。

—–

という内容なのですが。

全部読みました?

実は私、他人の語ってくれる夢の話ってどうもちゃんと聞いたり読んだりできないんです。なんだか途中で疲れてしまうんですね。理由は恐らく、内容に意味がないとかオチがないというのがすでにわかっているから、意外性はおもしろかったりするけどそれだけでは惹きつけられない、ということではないかと思います。

その上で、自分が見た夢を書く場合にどうすれば人が読みたくなるのか考えてみましたが、これが難しい。

場面の描写と夢の中の自分が考えたことが内容のメインになります。場面の描写は意味のあるつながりにならなかったりしますので、そこで読み手を置いてけぼりにしてしまう恐れがあります。都合良く夢の内容をねつ造しないようにするなら、限られた方法としては「意味のわからない部分は書かない」ということになりますでしょうか。ディテールを省略することはウソをついたことにはならない、と弁護士の人が言っていました。

上記の文でも、自分にしかわからないプライベートなことや説明が難しいことは省いています。そのため意味のわかる話の流れになっていますが、そんな編集がほどこされたものを「自分が見た夢」として語ってしまっていいのでしょうか。良心が痛みます。

ではプライベートなこともぼかしつつ話し、説明が難しいところも無理に説明すればおもしろくなるかというと、そうではないでしょう。むしろ説明すればするほどつまらなくなる気がします。

ところで、最近買った夏用の帽子にこんなことが書かれていました。

夏用の帽子

ベコベコに凹んでいて読みにくくて申し訳ありません。「Good words are not persuasive; persuasive words are not good.」と書かれています。

直感で訳すと「すばらしい言葉だからといって説得力があるわけではない。逆に、説得力のある言葉がすばらしいとも限らない。」というようなことでしょうか。(と思ってちゃんと調べたら、老子の「真言は美ならず、美言は信ならず。」の英訳だったようです。そっちのほうがいい)

なるほど。どうしてそんな言葉が帽子のてっぺんに書かれているかは謎ですが、今回感じたことを言い表しているように思います。つまり、夢で見たことをありのまま話せば美しくない(おもしろくない)ですし、美しく(おもしろく)話せばそれは本当に見た夢とは違ってしまうということです。では美しい上にちゃんと真実であることってないのでしょうか。フィクションである小説を書く場合はどうバランスを取ればいいのか。悩ましい。

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