◆2012/11/18 小説集『突き抜け5』できました!◆
『眠るのにいい時間』という短編小説を書きました!こちらで買えます。
日本語シャベレマース。
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◆2012/11/18 小説集『突き抜け5』できました!◆
『眠るのにいい時間』という短編小説を書きました!こちらで買えます。
年々ゴールデンウィークの予定を立てるのが億劫になってきまして、今年も直前まですることがなく、同じ状況のしーなねこ氏と「じゃあ旅行にでも行きましょうか、たとえば仙台とか」という話になりまして、行った先でリアル桃鉄をしてきました。
前置きもなく、唐突にやりました。
朝起きて、リアル桃鉄でもやりますかーという感じで。
2013年4月30日開催
このエントリのタイトルを「リアル桃鉄クラシック」としたのには理由があります。
何回かリアル桃鉄を開催していくうち、だんだんと規模が大きくなっていって(前回が60人くらい?)趣が変わってきましたので、初心に帰った1対1の決闘スタイルを最新の形式のリアル桃鉄と区別するため、またナンバリングタイトルではなくスピンオフであることをわかりやすくするため、クラシックという接尾辞をつけてみたのでした。
元々は楽しいレジャーではなく、孤独な精神修養の一環としてたしなまれていたのです。それを再びよみがえらせてみようと思います。
ではレポートに入りたいと思います。
(しーなねこ氏のレポートはこちら)
仙台駅前のドトールでしーなねこ氏と打ち合わせ。カードリストすら作っていなかったためその場で作成しました。パソコンを持って行ってGoogle Docsで作っていたのですが、なぜか保存ができなくなり、PDFにしてスマホに送るとかナウい手段を考えていたのに画面をカメラで撮るというアナクロな手段になってしまいました。
サイコロもないので駅前のロフトで調達し、ファンファーレもなくゲームスタート。
杜の都
最初の目的地は「東船岡」になりました。目をつぶって指をさした駅です。阿武隈急行の駅のようですが、阿武隈急行のことはよく知りません。急行と名の付くくらいだから利用者が多くて繁盛した鉄道なのだろう、とぼんやり思っていました。この時点では。
サイコロの目は「1」。偶然しーなねこ氏も1を出していました。ということは次の駅まで一緒でして、まだ孤独を味わうことはできません。初期のリアル桃鉄であればスタート地点からして別ですので、「もしかしてまじめにプレイしているのは自分だけで、相手はサイコロも振らずにスタバでカフェラテでも飲んでいるのでは…」と疑心暗鬼に陥ったものですが、今回はそんなどん底からのスタートにはなりませんでした。ゆるいと言えばゆるい。
チーズ鱈でも食べたくなる文字列
快速に乗ったので名取駅まで移動できました。ここでカードを引くと「牛タンカード(牛タンを食べる、もしくはひとりで牛タンゲームをする)」。牛タンを探すため、ようやくしーなねこ氏とは別行動をとることに。
まず牛タンを探して駅前のコープに入ったのですが、焼く前の生牛タンはあったももの、すぐに食べられる調理済み牛タンはありませんでした。ひとりで牛タンゲームはやだな…そもそも牛タンゲームってどんなだっけ…と落ち込みながら店を出ると、道路の向かいに燦然と輝く「仙台ビール園」の文字が。
入口は工事中の仙台ビール園
ここなら間違いなく提供しているだろうと店内へ。入口でウェイターさんに「牛タンはありますか?」と聞くと「ございますよ~」と笑顔の返事。そのまま席まで案内され、「牛タンですとこちらのランチか、すでに焼いてあるものか、お客様ご自身で焼かれるものとございます」と丁寧に説明してくれました。3択とはなんという贅沢な選択肢! しかしこのリアル桃鉄ではカードの指令以外で口にできるものが「水・ビーフジャーキー・氷砂糖のみ」と決められており、厳密にルールに従うとサラダやライスが付いたランチは選べません。ということで、最も雰囲気を味わえそうな自分で焼くタイプの牛タンにしました。
「この牛タンをください」
「かしこまりました。お飲み物はいかがなさいますか?」
「あ……お冷やで」
「ごはんもご一緒にお持ちしますか?」
「いえ……ごはんなしで…」
ビール園なのにビールも飲まず、ごはんも付けずに牛タンだけ焼いて食べる。今更そのくらいのプレイに対しては羞恥心もありませんが、やっぱり受け答えに覇気がなくなってしまうのと、紙エプロンを装着した時の軽いいたたまれなさは避けることができませんでした。牛タンは最高においしかったです。
超絶美味。一皿950円。
舌鼓を打ったところでサイコロ。目は「2」。
松尾芭蕉が石化している岩沼駅前
引いたカードは「松島カード(変わった岩を探して名前を付ける)」。日本三景の松島といえば奇岩ですからね。ここも岩沼というだけあって岩もたくさんあることでしょう。
ない。
そもそも岩が駅周辺にありません。それでもうろうろ歩き回って、それらしいものを見つけて写真を撮りました。
命名「かぎかっこ岩」
この岩に対してこの名付けでOKなのかどうか。それは1対1で戦っておりゲームマスターも存在しない以上、自分で納得できるかどうかだけが判断基準となります。もちろん判定はOKです。さあ次に行きましょう。サイコロの目は「3」。
阿武隈急行の雄姿
槻木駅で阿武隈急行に乗り換えです。阿武隈急行は2両編成で、あまり本数は多くないようです。なかなか出発しない車内で暇にまかせて下車予定の岡駅についてスマホで調べたところ、すぐさま「見なきゃよかった…」と後悔しました。悪いニュースは知らないに越したことはありませんね。
そろそろ出発かな、と思っていると、窓の外に見慣れた人の姿が。しーなねこ氏でした。電車の本数が少ないとどうしてもエンカウントしてしまうのです。
目的地の東船岡を通り越して、そのまま角田へ向かうしーなねこ氏を見送りつつ岡駅で下車。事前情報通りの風景が広がっていました。
のどかな田園風景
片面ホーム、無人駅、どこまでも広がる田畑。リアル桃鉄では危険なタイプの駅です。というのも、カードの指令で物資調達系が出ても近くに店がなく、ふれあい系が出ても近くに人がいないため、結果として指令をこなせずにサイコロの数だけ戻らなければならなくなります。よってカードを引く際の祈りも過剰になりがちです。変なカード出ませんようにお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますとつぶやきながら引いたカードは……
「コーミングカード(駅周辺のごみを10個拾う)」
よかった……!祈りは通じました!
意気揚々とごみを集めて徘徊しましょう。
頼もしき10のゴミたち
さほど苦労せずに集まりました。壊れたイヤホン、馬券、オレンジの皮、ペットボトルなどなど。個人的にはガン消しが落ちていたのがヒットでした。特殊なタイプのザクでしょうか、詳細はわかりません。これらのゴミはまとめて駅備付のゴミ箱へダンクシュートしておきました。
さて次は移動ですが、目的地の東船岡までは残り1マス。そして出た目は……
「1」!!!
やったーーーぴったりゴール!!!
と言いたいところなのですが。実は槻木駅を出た後にしーなねこ氏と話し合い、「阿武隈急行は本数が少なくてやばい。出たサイコロの目が何であっても、次に東船岡を通過できたらゴールということにしよう」と取り決めをしていたのでした。つまりこれから乗る電車にしーなねこ氏が乗っていれば、二人とも同時に東船岡に到達することになり引き分けに。さあ、果たして彼はやってくるのか……?
ホームに入線する槻木行
乗ってました。
ドロー。
流れる東船岡駅
本来ならば1が出た自分はこの東船岡駅で降りなければならないところですが、降りてしまうと次の電車が1時間半後ということもあり、降りずに槻木駅まで移動して仕切りなおすことにしました。プレイヤー同士で合意すればいくらでもルールが変わる。これがクラシッククオリティです。
槻木駅に戻り、一応はゴールしたということで次の目的地を決めます。今度はランダムに指をさすのではなく、合意の上でピンポイントに「鳴子温泉駅」に決定しました。今回の仙台リアル桃鉄ではJR東日本の「仙台まるごとパス」というフリーパスを使っていますが、鳴子温泉はその範囲から外れてしまいます。ではなぜそこを目的地に設定したのか?
それは……
今夜の宿を予約しているからです。
ザ・合理主義。サイコロの目は「4」。
南仙台駅ですね
電車の中で爆睡していたようで、しーなねこ氏に「ここで降りるんじゃないんですか」と叩き起こされて降りました。ここは……寝起きだったせいかあまり記憶がありません。引いたカードは2度目の「松島カード」。駅前のオブジェが奇岩っぽかったのでそれにしました。
命名「包丁刺したら出てきた岩」
なんでしょうねこの名前。右側が包丁の柄、左側が地面から出てきた包丁の刃、という解釈だと思います。自分で名づけておいて「思います」ってなんだよって感じですが、この時の心身の状態がこんな感じだったのでした。
あまりに寒くて頭が回らない #リアル桃鉄仙台
— イガラシイッセイさん (@polisan) 2013年4月30日
ここへきて急激に天候が悪化し、雨がぱらついてきて、気温も瞬く間に下がってきたのでした。体力ゲージ気力ゲージともにガリガリと削られていました。今までのリアル桃鉄は真夏の開催だったため暑さとの戦いはあったのですが、寒さとの戦いは未経験でした。おそらく笑顔は完全に消え失せていたことでしょう。
サイコロは「5」。
フォントがいいなあ
仙台駅を通り越し、その先の岩切駅へ。実はこのとき仙台在住のよしけんさんが、差し入れの牛タンジャーキーを持って仙台駅で待ってくださっていたらしいのですが、すでに通り過ぎた後でした。Twitterで確認するとしーなねこ氏はうまいこと遭遇できたようで、うまそうにジャーキーを食べていてこちらとしては歯ぎしりをさせていただきました。
そしてカードは「1リットルカード(1リットルの液体を持ち運ぶ)」。駅のNEW DAYSでお茶を買いました。どうせ飲めないのに水にしようかお茶にしようか迷ってしまうあたり、人間の業というものを感じました。サイコロは「1」。
うまそうなお茶(飲めない)
周りには史跡がいっぱい(見て回る余裕はない)
だいぶ日が傾き、西日が顔を照らし上げる時間帯です。寒さは増しています。カードを引くと「平和祈願カード(鶴を10羽折る)」でした。駅前には学校(たぶん中学校)があり、若者たちの声が響いてくるのを背中で聞きつつ、駅の待合室で必死になって鶴を折ります。平和を祈りながら。
いびつな形がいっぱい
折るスピードが速く、それでいて祈りが籠められていればよいので、品質にはまったくこだわりません。仙台まるごとパスのパンフレットを破いて一気に鶴を折りました。鶴というより笹の家紋をひっくり返したようなのもありますがかまいません。そして10羽折り終えようとするところで電車が入ってくるアナウンスが鳴り渡り、運よくギリギリその電車に乗ることができました。ただあまりに焦ってしまったためサイコロを1つ無くしてしまいました。。目は「5」でした。
駅の風情
ここはもうフリーパスの範囲外になります。手元にはフリーパス範囲内の路線図しかありませんので、ここがどの辺りなのか、あと何マスで鳴子温泉なのかもさっぱりわからず、急に不安になります。駅前にもいくつか商店はありますが営業中なのかどうかわかりません。
とにかくカードを引かなくては……と半ば無意識的にカードを引くと、これがなんと!
「仙台サミットカード(全員仙台駅に集合する)」
全身から力が抜けました。今から仙台駅に戻る……? 1時間半前に通り過ぎたところだぞ……?
またここで本当に仙台駅に戻るとなると、本日中に鳴子温泉にたどり着かなくなる恐れもありました。一応しーなねこ氏に仙台サミットが開催されることを伝えると、もう一度カードを引いてみてはどうかとの提案が返ってきました。試しに引いてみると「ずんだカード(ずんだ餅を食べる、もしくは枝豆をすりつぶす)」でして、駅前の商店にもしかしたら売っているかもしれないとは思いましたがそれを確かめる気はまったく起きず、ずんだカードを引いたこと、そして心が折れたことをしーなねこ氏に報告し、それに対するリアクションが戻ってくる前にもう鳴子温泉行の片道切符を買っていました。
第二回でしーなねこ氏がゲーム中に黙って家に帰っていたという事件がありましたが、あのときの氏の心情を少しだけ理解できた気がしました。
ということで「リアル桃鉄クラシック in 仙台」は引き分けに終わりました。かつての苦行のようなリアル桃鉄をもう一度、というつもりでやっていたものの、所々に己に対する甘さが見え隠れしていた気がします。思いつくだけでも、
・敵同士なのに二人で行動する時間が多かった
・ランチカードなしでランチを食べてもいいことにしないかという提案があった
・東船岡駅で下車しなかった
・宿泊予定地だからという理由で目的地を鳴子温泉にした
・仙台サミットをうやむやにした
があります。どうしてこんなに甘い感じになってしまったのかを考えると、当日につぶやいた次の一言に集約されるのではないでしょうか。
我々も老いた。 #リアル桃鉄仙台
— イガラシイッセイさん (@polisan) 2013年4月30日
当日の様子はTogetterにもまとめられています。
いきなり開催!リアル桃鉄in仙台 #リアル桃鉄仙台 2013/4/30
また大勢でやる方のリアル桃鉄は、きたる2013年5月18日(土)に開催予定です。
詳細は公式サイトでどうぞ。
宿の夕食は至福でした