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ヘルパンギーナに続いてRSウイルスとやらにも罹患した我が子は、この夏けっこう保育園を休んだ。それに合わせて親たちも会社を休まざるをえなかった。強制夏休み。 我が子はプールデビューも果たし(大泣きしたそうだ)、1日単位で急成長を続けている。バイバイと手を振る、ありがとうと頭をさげる、というようなこちら側の解釈次第でどうにでもなる案件もあるけれど、誰がどう見てもそうとしか言いようのない明らかな成長案件もある。 我が子が立った。 仁王立ちだ。 その日は自分が休みで面倒を見ていたのだが、ベッドでゴロゴロしていたらいきなり立った。つかまり立ちではなく、両手をだらりと垂らして二本の脚だけで立っていた。 おおお!とつい叫んでしまった。我が子は真剣な表情で、どこか遠くを見据えて「んんん」と唸っている。まるで武蔵坊弁慶の最期のような、立派な立ち姿だった。驚きのあまり写真を撮り損ねた。 ちなみに、真剣な表情で遠くを見据えて「んんん」と唸るには理由があり、それをこの父は知っているぞ。 ウンチをしていたのだ。 初の仁王立ちはウンチをしながらだった! あとでオムツを替えたらそんなに出てなかった。立ってまで気張ったのに残念だったね。 翌日配偶者も我が子の仁王立ちを見ることができた。日々成長だ、と言い合って家族みんなでカレーを食べに出かけた。夏が過ぎていく。