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そういや我が子が紙食ってた。
そうと気づいたのは帰宅直後、ポケットに入れっぱで洗濯してしまったティシューみたいなのが口の周りにべっとり付着して前衛アート(アクリル絵の具で描かれてそう)みたいになってるのを発見したからだ。
ちょうど配偶者が家事のために目を離した、段落と段落のはざまのような一瞬だったらしい。
急いで口の周りを拭くあいだ、我が子は陽気に笑っていた。楽しそうでなによりだった。
口の周りはきれいになった。その笑い続ける顔を眺めていると、大きく開いた口の奥にあやしい物体がちらちらと見える。これは、と慌てて指をつっこむと、上あごにべっとりと溶けた紙が貼りついていた。海苔が貼りつくああいう感じで。
当たり前だけど、紙とはなんぞや、それ食えないの?ということを赤子は知らない。なにも知らない。単に手近にあったサムシング(どつやら口に入れると上あごに貼っつくみたいだ)でしかない。
楽しそうでなによりだけども。
紙でよかったものの。
誤飲おそろしや。