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我が子の入園式へ行ってきた。齢0歳6カ月で保育園に入る。

「保育園落ちた」の話のようにうちの地域も激戦区だ。我が家はポイント的には中の中くらいだと思うけど、唯一夫婦で見学に行けた園に無事決まった。配偶者だけが見学に行ったところは全滅だったので、入りたいアピールとして効いたのかもしれない。

入る園は何十年も続く老舗で昭和感がつよい。自分が30年以上前に通っていた公立の園と雰囲気はそう変わらない。建物は年季が入っている。入園式も壁に紅白の幕がかけられていて、式次第が模造紙に筆で書かれているのも昭和っぽい。まあ現代の一般的な入園式がどんなものか知らないけど。とにかく新しさより懐かしさがあった。

園長あいさつや担任発表、総会といったプログラムが進む中、あまり内容に集中できなかった。ただぼんやりして、ああ親としてここにいるんだな、ということを実感していた。そして、自分は親としてここに馴染めないかもしれないな、とも感じていた。そして、馴染めないかもしれないけどやっていくしかないな、とも思っていた。

クラスに分かれて説明を受ける際、自己紹介の一番手に指名された。心の準備ができていないままあわてて自分の名前を名乗ろうとして、ちがうぞ、ここは入園する我が子の名前を言うシーンだ、と気付くことができて間一髪ミスを回避した。神回避だ。しかし我が子が主役という状況に慣れていないのだから親としての意識がまだまだなのだと痛感した瞬間だった。

配偶者は自分よりよっぽど社交的だけど、それでも月曜からうまくやっていけるか不安になっている。我が子は何も知らずに平和そうにしている。親の親自身の心配は子に関係ないので、楽しくやってくれればそれが一番だ。友達ができて保育園に行きたいと思ってくれればすべてよしだ。それはたしかだ。