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ほしいもの:物欲。

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ブランニュー姪っ子。

妹に第二子が誕生したのでお祝い会に行ってきました。女児なので姪になります。

姪っ子

まだ一週間ですからこの頭見たって何にも反応はありません。よかった。抱っこして思ったのは、めっちゃ熱いな!ということでした。命が燃えている!

漫画『ぼのぼの』のシマリスくんは赤ちゃんの小さな指が動くのに感動していましたが、同じ気持ちになりました。

一応兄としての立場を維持すべく、ぶっきらぼうに出産祝いを渡しました。そうしたら妹から「ありがとう。でものし袋間違ってるよ」とダメ出しを受けました。まあいい。のし袋の正しいチョイスは今後の目標にします。

実家は自営業ということもあり、お祝いの会は店を使って近所の人たちを集めて盛大に催されました。私は昭和19年生まれから昭和25年生まれまでが集うテーブルに放り込まれました。その年代はつまり親の世代で、何十年も同じ地に住まっている方々です。

そのうちのお一人から言われました。

お前の代は突然死が多いんだぞ

え、そんなこと言われても!

どういうことかと思ったら、日本全体みたいな一般論ではなく、地元の同級生に突然死が多いということでした。そうだっけかな、といまいちピンとこなかったのですが、挙げられていく名前を聞くたびに、脳の奥に段ボール詰めにされた記憶が懐かしい匂いと共に開封されていきました。この感覚。写真のように断片化されて浮かぶ映像。ああ、自分はこの地にずっと育ったんだ。忘れていた。と思いました。

今ひとりで暮らしている町には知り合いがいませんし、会社に行けば自分のことを「よく知っている」人はいません。ネットを通じて知り合った仲間は年齢も出身もあらゆるバックグラウンドが異なっていて、彼らとの関係性一覧表には決して埋められないチェックボックスがあります。それが生まれ育った土地で関連付けられる「地縁」です。

この数年間、私はいろいろな人たちの間をぶつかるかぶつからないかのラインでフワフワと漂っていたように思います。その間ずっと、おじさんたちは休むことなく地元に暮らし続けていたのです。しかも私が生まれる数十年前から、そしてこれから先も。私という人間を形作っている幼少期の経験の源は、そのほとんどが地元の町と人々(つまりコミュニティ)ですが、その経験の源自体が持つ歴史、経緯、関連といった、さらにさかのぼれる起源について、近所のおじさんたちは知っているわけです。インターネットが世界中に広がって頭上を覆う薄い網であるなら、地縁や血縁は足下にびっちりと根を張る3Dの網かもしれません。外側にどんどんと広がるのがインターネットの知識なら、内側にどんどんと広がるのが地縁や血縁を通した知識のように思いました。

すこしだけ、両方の意味で、地に足がついた気がしました。

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